きりんkasumiのフリーなりたて日記

フリーランス20代の奮闘日記です

【カウンセリング初心者】クライエントが相談内容を話さない時の引き出し方

カウンセリングを行う時に、相談者(クライエント)が相談内容を話しださない時があります。

相談者が話さない理由は様々です。

「緊張してしまって話せない」
「信頼していない段階でどこまで話していいかわからない」
「話したあとの反応が怖くて話せない」

そんな相談者に対する対応の仕方を説明していきます。

[おさらい]カウンセリングの5ステップ

カウンセリングとは、相談者の抱える悩みや課題を解決できるよう、専門知識を持つカウンセラーが対話で導く方法です。 

この流れに沿ってカウンセリングを行うことで、高い専門性をもっていなくとも有益なカウンセリングとなります。

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詳しくはこちら。

初心者でも大丈夫!簡易的なカウンセリング方法5ステップ - きりんkasumiのフリーなりたて日記

 また、信頼関係を築くカウンセリングのコツなどは、こちらをご覧ください。

心理カウンセリングのやり方とコツを学ぼう! - きりんkasumiのフリーなりたて日記

クライエントがなかなか悩みを話しだせない時のカウンセリング方法

クライエントがなかなか悩みを話しだせない場合、カウンセリングは以下のような手順を踏みます。

◆カウンセリングの手順◆
  1. 【信頼関係を築く】事前説明と信頼関係を築く質問をする
  2. 【本題に入る】悩みに関する質問する
  3. 【解決策を立てる】悩みから目標・希望を設定する

 

不安心・恐怖心の強いクライエントが相手の場合、クライエントが話しだせなくなる時があります。

 そんな時はまず、クライエントが話しやすくなるように事前準備簡単な質問をしていきましょう。 

【信頼関係を築く】事前説明と信頼関係を築く質問をする

 クライエントが相談内容を話し出せない場合はまず、「相手の状態」や「カウンセリングの所用時間」に合わせて信頼関係を築くことを目的とした質問を行います。

 カウンセリングの最初はまず、簡単な自己紹介守秘義務について伝えましょう。

信頼関係を築く第一歩です。

 

【 事前説明と信頼関係を築く質問 】

  • 自己紹介と守秘義務の提示
  • 信頼関係を築く質問①-クローズド・クエスチョン
  • 信頼関係を築く質問②-セミクローズド・クエスチョン
  • 信頼関係を築く質問③-オープン・クエスチョン


詳しくみていきます。

自己紹介と守秘義務の提示 

自己紹介と守秘義務について再度お話しし、安心して話せる状態を作り出しましょう。  

<自己紹介と守秘義務を伝える>

心理カウンセラーの○○です。

(自己紹介)

よろしくお願いします。


また、カウンセラーには守秘義務があります。

今回のカウンセリングでお話頂いた内容が、第三者や外部に知られることは絶対にありません。安心してお話ください。 

 

信頼関係を築く質問①-クローズド・クエスチョン

 質問にはいくつかの種類があります。

大きく分ければ2つ。

答えやすい質問『クローズド・クエスチョン』と、答えにくい質問『オープン・クエスチョン』です。

  • クローズド・クエスチョン
    ⇒はい・いいえで答えられる質問
    ⇒A・B・Cから選べる質問
  • オープン・クエスチョン
    ⇒はい・いいえだけで答えられない質問
    ⇒自由に考えを述べる質問

心を閉ざしている人に対しては、「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンを投げかけてみましょう。

<クローズド・クエスチョンの例>

  • 最も悩んでいる事は、恋愛関係のことですか?家族についてですか?
  • いつ頃からこの課題に悩んでいますか?
  • あなたの趣味はなんですか?

信頼関係を築く質問②-セミクローズド・クエスチョン 

セミクローズド・クエスチョンとは、クローズドクエスチョンより少し自由度の高い質問のことです。 

クローズド・クエスチョンで答えを引き出せるようになったら、次は少し自由度をあげた質問『セミクローズド・クエスチョン』を投げかけていきましょう。

セミクローズド・クエスチョンの例>

  • 最近、休みの日にはどんなことをされていますか?
  • あなたが趣味のバンドを始めるきっかけは何でしたか?

信頼関係を築くの質問③-オープン・クエスチョン 

相手が答えてくれるようになったら次は、オープン・クエスチョンも投げかけてみましょう。

ここでのポイントは、ポジティブかつ自由度の高い回答を求める質問をすることです。

ポジティブな感情を自己開示させる質問は、信頼関係を築く上で有効です。

相談者がポジティブなことや好きなことを話しているうちに、カウンセラーへの信頼度が上がります。

相槌や共感・復唱を行い、信頼関係を更に深めましょう。 

<ポジティブなオープン・クエスチョンの例>

  • 最近何か楽しい事はありましたか?
  • あなたの趣味を教えてください。
  • 恋人がいらっしゃるんですね。お付き合いしたきっかけって何だったんですか?

  • 好きな選手は誰ですか?その方のどんな所が好きなんですか?

【本題に入る】悩みに関する質問する

質問に答えてくれるようになったら、本題にうつりましょう。

悩みに関する質問

クライエントが悩んでいることを尋ねましょう。

【悩みを尋ねる質問の例】

  • 今最も悩んでいることや辛いと感じていることを教えてください。

  • 相談したいことや悩んでいることはありますか?
    いくつかある場合は全てお答えいただき、その中でも特に悩んでいることをお話しください。

悩みを引き出したら次は、クライエントの悩みの深い部分まで理解できるように、質問を重ねます。

更に理解を深めるための質問は3つです。

1.悩みに関する具体的な質問

悩みについて更に理解を深めていくために、以下のような質問をしてみましょう。

【悩みに関する具体的な質問】

  • 最も辛いと感じた原因を、具体的に教えていただけますか?

  • その時の怒りを感じた根本的な原因は何でしょうか?

2.相手への肯定を含めた質問

質問の中に相手への肯定の気持ちや表現を込めましょう。

そうする事で、クライエントは話しやすくなりますし、カウンセラーへの信頼感も上がります。

【相手への肯定を含めた質問】

  • そんなに辛い中、どのように考えて過ごされたのですか?
    私だったら投げ出してしまいそうです。

  • 沢山の障害がありながらも、そんなにも一途に思い続けられた理由は何だと思いますか?

3.問題解決後の状態を想定させる質問

問題解決の先に理想の状態があるのか、問題解決した先にどんな未来が待っているかを気づかせる質問です。

本質的な課題かどうかの確認や、問題解決への意欲向上につながります。

【問題解決後の状態を想定させる質問】

  • この問題が解決したら、あなたはどんな状態になりますか?

  • この目的が達成された時に想定される状態を教えてください。

【解決策を立てる】悩みから目標・希望を設定する

悩みについての質問が終わったら次は、問題を乗り越えるための解決策や目標を設けます。

目標設定に大切なポイントはこの2つです。

◆「対策・解決策」を設定するポイント◆
  • 悩みを肯定的に変換し「対策や目標」に変える

  • 対策や目標は自分に標準を合わせる 

クライエントの悩みは、痛みが伴ったネガティブな言葉であることがほとんどです。

これらのネガティブな言葉を肯定的な目標や課題に変えていくことで「どう解決していくか」という気付きを与えることができますし、消去法していた選択肢から新たな選択肢を引き出すことも可能です。

 この時、相手の考え方や在り方を変えようとする目標でなく、自分の関わり方や在り方に着目した目標を立てられるように意識していきましょう。

 なぜなら、相手の心をコントロールすることは不可能だから。

不可能なのでいつまで経ってもその目標は達成できず、思い通りにいかないストレスがたまっていくでしょう。 

目標・解決策設定の例その1

【悩み】彼氏の束縛が辛い…

  ↓ 肯定的な質問に変換

【質問】 どうしたら辛くない付き合い方ができるか?

  ↓ 対策や目標を考える

【対策や目標】彼に辛い気持ちを打ち明けて一時的に距離を置いてみる

 上記以外にも、対策や目標はたくさんあげられると思います。

【対策や目標】

  • いいなりになるのをやめて拒否する
  • 彼が嫉妬で怒り狂っても全く気にしない
  • 自分の理想の付き合い方を伝えてお互い尊重が難しいようなら別れる、etc…

悩みに対して、有効かつ実現可能な方法を一緒に探っていきましょう。

その他の例はこちらです。 

目標・解決策設定の例その2

【悩み】上司から嫌われている

  ↓ 肯定的な質問に変換

【質問】 どうしたら上司の怒りを離れられるか

  ↓ 対策や目標を考える

【対策や目標】人事に相談して部署を変えてもらう

 

目標・解決策設定の例その3

【悩み】人前だと緊張して話せない

  ↓ 肯定的な質問に変換

【質問】 どうしたら落ち着いて話せるようになるか

  ↓ 対策や目標を考える

【対策や目標】話す内容を20回練習してみる 

まとめ

カウンセラーができるのは、傾聴質問を通して相談者によりそうこと悩みの根っこを一緒に見つけること本質的な解決策を一緒に立てることです。

これらの時間配分や重きの置き方は相手の状態によって変わってきますが、

「緊張してしまって話せない」

「信頼していない段階でどこまで話していいかわからない」

「話したあとの反応が怖くて話せない」

そんな相談者に対してはまず、徹底的に相談者に寄り添ってあげましょう。

 

そのための方法として、今回学んだ方法をためしてみてくださいね。